現状のSSDについて、自分なりにまとめてみた
1stPCと2ndPCのSSD導入が終わり、落ち着いたので、自分なりにSSDについてわかったことを書いてみようと思います。
●SSDはまだまだ発展途上の新デバイスであるということ。
SSDは既存のHDDを刷新することが出来る可能性のあるデバイスではありますが、まだまだ発展途上のデバイスであり、欠点も目につきます。
この先、非常に期待できるデバイスだとは思いますが、現状のSSDには過度の期待はしない方がいいです。
●読み込み速度
SSDの読み込み速度は、HDDと比べるとかなり速いのは間違いないです。
特にランダムアクセスは得意で、HDDの10倍~100倍の速度が出ると言われています。ただそれは、あくまでもベンチマーク上だけであって、実際の体感だと、いいとこ2倍前後位でしょうか?
ただ、SSDにも出来のいいものと悪いものがあるので、本当に質のいいものなら、もう少し体感スピードがあがるかも知れません。
●書き込みはまだまだHDDにはかなわない。
いつかSSDがHDDを凌駕する日が来るかもしれませんが、現状では、書き込み速度に関してはHDDの方がずっと速いです。
●現状のSSDを有効利用したいのなら、使いわけが大事。
現行PCの、大容量記憶デバイスというと・・・
HDD、SDD、RAM DISKの3つが有名だと思います。
RAM DISKは、全てにおいて最速ですが、電源を切ると内容が消えてしまうという欠点があり、また、かなり安くなったとは言え、容量辺りの単価が一番高いです。
HDDは、書き込み速度が速く、容量辺りの単価が激安という利点がありますが、消費電力が大きく、また騒音を出します。また、予期せぬ物理クラッシュが起きる可能性があります。
SSDは、読み込み速度が速く、消費電力が少なく、騒音が出ないという利点がありますが、書き込み速度が遅く、また、書き込み回数に制限があります。
現状では、これら3つの大容量記憶デバイスをうまく使いわけることが大事です。
※)まず、可能な限り、SSDは読み込みに専念させること
※)テンポラリなどの作業スペースにはRAM DISKが一番向いている
※)完成したDATA FILEなどは、よほど頻繁に使うものでなければ、HDDに書き込むのが良い。
※)SSDには、書き込み回数制限があるので、オートデフラグは解除した方が良い(でも、速度が遅くなったSSDが、デフラグで回復するという説もあるので現状はオートデフラグをカットし、たまに手動でデフラグしてやるのがいいと思われます。)
※)SSDに仮想メモリを設定しない。
設定するならRAM DISKにするのが理想ですが、使用OSが64bitOSなら、仮想メモリがいらないほどのメインメモリを実装し、仮想メモリを使用しないのも手だと思います。予算の都合や、PCの構成上の都合で大容量メモリを積めない人のみ、HDDに設定するのがいいと思われます。
こんな感じでしょうか?
とにかくSSDは、読み込みに専念させるのが一番です。もし、書き込みをさせるなら、書き込みに専念させることです。(OSやアプリのインストールなど)
読み書きの激しい仮想メモリ(キャッシュ)的な使い方をすると、速度が遅くなり、また、プチフリーズを起こしやすいようです。
そんなわけで・・・
OSやアプリはSSDに入れ、DATA類はHDDに、作業スペースはRAM DISK or HDD、仮想メモリを使うなら、出来る限りRAM DISKに。というのが、現状のSSDの性能を一番発揮させるのにいいんじゃないかな?と個人的に思います。
●プチフリーズ問題
現状のSSDには、プチフリーズ問題があるようです。どうもこれは書き込みの遅さに原因があるようで、読み書きが激しくなると起こりやすいようです。
SSDを2台以上使い、RAIDモードで動かすと、発生しないとか、発生しても気にならない程度になると言われています。
●現在売られている安価なSSDは中身が殆ど一緒。
現在売られている、安価なSSDは、フラッシュメモリがサムソン製で、コントローラーがJMicronの602というコントローラーのようです。
なので基本的に性能は近いのですが、内蔵されているコントロールソフトによって、メーカーごとに性能差が出ていると言われています。
●SSDにはSLCとMLCがある。
SLCは、読み込みだけでなく、書き込みも速いが、大容量化が難しく、高価になりやすいという欠点がある。
大容量化には、製造プロセスの微細化が必須な為、簡単には容量UPは出来ないようです。
MLCは、読み込みは速いが、書き込みが遅い。大容量化がしやすく、値段が安い。
MLCは書き込み手順にSLCよりも高度な操作が必要なため、書き込みが遅くなるのですが、コントローラーの性能UPや、コントロールソフトの改良によって、どんどん書き込み速度が速くなってきています。
いつかSLCに匹敵するようなMLCが誕生するかも知れません。intelのSSDはMLCなのに、非常に速いです。(但し、MLCなのに高い)
●SSDには書き込み寿命がある。
SLCは1セルあたり10万回前後、MLCは1セルあたり1万回前後で書き込み不能になるといわれています。
ただし、SSDのコントローラーは、全セルをなるべく均一に万遍なく使おうと制御しているらしく、寿命はそう簡単には来ないと言われています。(初期不良は除く)
30GBのSSDを使用している人が、毎日30GBの書き換えをすると・・・理論的には、寿命が来るまで27.4年かかります。(SLCなら274年w)
上の計算はあくまでもデータ上の理論値ですので、実際の寿命はもっと短いでしょうが、それでも最低でも2年~3年はもつ(MLCの場合)と言われています。
前述した通り、SSDは発展途上でバリバリ成長過程なデバイスなので、これからどんどん読み書きの速度が上がっていくでしょう。
もちろん寿命(というか信頼性)も上がってくるでしょう。そのようなSSDの今後を考えると、物理的な寿命よりも早く、製品寿命が来る感じになると思われるので、書き込み回数制限はあまり気にしなくていいとも言われています。(要するに、壊れる前に普通は買い換えてるということです)
ただ、まだまだ新しいデバイスであり、壊れた個体が少ないデバイスでもあります。その為、信頼出来るデータが乏しいので、今のSSDが普通な利用で平均どれくらい持つのかは未知数とも言えると思います。
●SSDのセルに寿命がきたら・・・
HDDは物理的にクラッシュすると、読み書き両方出来なくなるのが普通です。
一方のSSDは理論上は、書き込みが出来なくなっても、読み込みは出来るはずです。
今のSSDのコントローラーがどれだけの性能があるかはわかりませんが、作りがショボくなければ、セルに寿命がきても、読み込むことは出来るはずなので、HDDのように、ある日突然のクラッシュで、データを失うなんてことは起こりづらくなるのではないか?と私は予想しています。
★★★
とりあえずこんな感じかな?
個人的には、SSDにはかなり期待しています。ただ、現状では、全ての人に諸手をあげてお勧めすることは出来ません。
それぞれのパーツの仕組みをある程度理解してて、トラブルを自力で解決出来、多少の金銭的損害も笑って許せる人にのみ、お勧めしますが、あくまでも自己責任でお願いします。
★★★
最後に私のSSDが入っているPCのパーツ構成を書いておきます。
●1st PC
Asus RampageII Extreme (X58/ICH10R)
intel Core i7 965
Corsair TR3X6G1600C9(1333MHzで使用しています)x2set 6本 計12GB
AMD RadeonHD4870
SILICON POWER SP032GBSSD650S25(MLC) x4
OS 64bit版 WindowsVistaUltimateSP1
●2nd PC
Asus P5E (X38/ICH9R)
intel Core2Quad Q9450
2GB DDR2-800 x4 計8GB
AMD RadeonHD4850
BUFFALO SHD-NSUM30G x4
OS 64bit版 WindowsVistaUltimateSP1
インテルのICH9RやICH10Rでは、まったく問題なく認識され、RAID0を組めます。
また、上記OSのインストールディスクだと、OSのインストール時にもドライバーは要りません。
GIGABYTEのGA-MA790FX-DS5 (AMD 790FX)に、シリコンパワーのSSDを2台入れてみたところ、ちゃんと認識し、RAID0も組めたのですが、なぜか日立LGのBDドライブの認識がおかしくなり、OSのインストール中、途中でBDを見失ってしまうようです。
がんばれば解決できそうな問題ではあるのですが、このM/Bには前からかなり苦労させられているので、いい加減ウンザリし、PhenomPCにSSDを入れることをやめました。
このM/BのBIOS、かれこれ半年以上、更新されてないし・・・。